【上砂川町】星の砂

2024年5月15日、生活スタイルが変わったこともあり、なんと半年以上ぶりとなってしまった今回の辛味噌開拓。苫小牧市まで仕事の打ち合わせに行く途中「美味しい」と評判の店に寄ってみる。辛味噌ラーメンはもとより純粋なラーメン店すら無かった上砂川町に今年2月9日にオープンした「星の砂」である。

赤平市の隣の隣に位置する上砂川町。店舗は町を東西に抜ける主要道路道道115号線に面しているためとても判りやすい。伺ったのは開店直後の11時5分ごろだが、店内にはすでに3組6名のお客。座席は20程あるので特に問題もなく着席。お冷はセルフである。

駐車場が店舗横に3～4台分あるが、それほど広くなく斜め駐車にもなるため、満車の時や運転に自信のない方は50mほど離れた空き地に駐車すると良いと思う。

こちらのお店、定番のメニュー表には辛味噌ラーメンは載っていない。本日の限定として辛味噌ラーメンと塩つけ麺があるのである。とはいえ周りの人間の話やネット情報を見る限り、ほぼ定番的に出しているようにも思う。無いことも覚悟して伺ったが、POPを見つけ喜ぶとともに辛味噌ラーメンを注文する。

ご店主はフレンチのシェフとして15年、札幌にあったラーメン店横綱物語の店主として15年の経歴を持つとの事。縁あって上砂川町に移住し、この星の砂をオープン。店名は砂のように上砂川の夜空に光る星と、かつてご店主の祖父母が済んでいた隣の市である芦別市のキャッチフレーズ「星の降る里」に由来しているらしい。この経歴と知人などから聞く評判のため、食べる前から否が応でも期待が高まる。

まずは、見た目ですでに濃厚さを感じさせるスープを数口。豚骨と魚介をベースにしたスープとの情報もあるが、魚介の方が強い感じであろうか。個人的には中レベルの辛みを感じるが、それ以上に複雑で濃厚な旨味が美味である。そして「しょっぱさ」も感じる。

このしょっぱさが意外に強いのである。食べ進めていると慣れてくるが、全体的に濃いめの味わいなので、濃い味わいが苦手であれば先ほどのメニュー表に書いてあったとおり「薄め」をオーダーすると良いかと思う。しかし、このしょっぱさだが不思議なことに食後、特に猛烈に喉が渇くといったことが無かったのが不思議でもある。

黄色みの強い麺は中太ちぢれ。その色味から玉子が強く感じられるかとも思ったが、そんなことは無く、スープと相性の良い程よい甘みを持ち合わせた美味しい麺である。大盛りにした関係もありボリューム感はなかなかである。旭川系の加水少なめ、ややストレート系の麺だったらどうなんだろう？と想像したがら食べるのも楽しいものである。

具材はメンマが特に目を引き、他にもやし、長ネギなど全体的に小ぶりにカットされたものがいろいろ。小さいものが多いので、正直言って何が入っているのか不明な部分もあるが、その中の主役はやはり、こちらも小さめにカットされたチャーシュー。ゴロゴロ系である。

こちらのチャーシューもややしょっぱさを感じるものもあるが、基本的には柔らかく味わいもとても良い。量も多いので、最後にスープの中からすべてをすくうのに意外と時間がかかった。これは不満ではなく、むしろ喜びである。

かなり食べ進めてから実験。眼前に並ぶ数あるスパイスの中から「ハバネロ入り激辛一味スパイス」をチョイス。基本的にビビりなので少量を投入。

結果、この程度の量では特に辛さは変わらず。かといって大量に投入して美味しさのバランスを崩してしまうのも嫌なので今回の実験はここまで。

やはり評判通り美味しいのは確かな一品であった。間違いなく美味しい。ただ、満足感という意味では何か足りないと感じたのも正直な感想である。これだけ美味しいのに何か物足りない。知人が言っていた通り、完成され過ぎていて特徴となる尖った部分が無いのだろうか？それとも、何度も食べないと美味しさの本質にたどり着けないのだろうか？体調、精神面の問題？不思議な一品でもある。

お値段もそこまで高くなく、味もかなり良し。さらに、このお店、半熟ゆで卵がサービスなのである。欲しい人は置いてある場所から好きに持っていく仕組み。この半熟卵が濃厚な味わいのラーメンとやはり相性バツグンで、スープと黄身、白身が口の中で見事に混じり合い最高の味わいである。

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